テレビの良心(改稿再掲)

昭和の昔、テレビで「なるほど!ザ・ワールド」という番組をやってた頃のこと。
ある時、この番組の通常の放送時間そのままで、特番としてNG集を放送したことがあった。その途中、司会の愛川欣也が、
「次のVTRは、テレビに詳しい方なら、なんでNGになったのか分かるやつです」
とか何とか言って、断崖絶壁の渓谷にかかる吊橋の真ん中辺りから、体にロープを結わえ付けて飛び降りるという海外での取材ビデオと、つまり「この人はこれからここで何をするのでしょう?」という出題にする予定だったという話があり、再度、
「これはテレビに詳しい人だったら、なんで放送できなくなったか分かるんです」
と締めくくっていた。当時まだ「バンジージャンプ」というカタカナ言葉は日本になくて、そういうレジャー(?)が日本に紹介されはじめた頃だった。
では何故これが番組で使えなくなったか?
他局でやってた「世界まるごとHOW MUCH?」というクイズ番組で、「このジャンプをやるのは1回いくら?」という出題に先にネタが使われてしまったんである。
勿論、愛川欣也は直接言及しなかったけれど、当時毎週両方の番組を見るともなしに見てた身には、「ああそういうことですか!」とテレビに向かって突っ込んでたほど。
「まだ『バンジージャンプ』なんて言葉が日本にゃなかった頃」と書いたけど、思えばこの「世界まるごとHOW MUCH?」で取り上げられたのが、日本に「バンジージャンプ」というものが紹介された最初だったような気もする。

よくある「衝撃映像」とか「かわいい動物」の類の番組を見るたんびに、「これ、前も(他局で)見た」「これ、〇〇(他局の番組)でインチキって証明されてたやつじゃん!」と突っ込むのが当り前となった令和の時代にゃ、考えられねえ話である。
あの頃はまだ「良心」ってもんがブラウン管の奥の方に残ってたんだろな。多分。


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